
スマートリングはユーザのバイタル記録や小型入力デバイス、簡易な決済デバイスとして注目されています。しかし、リング型デバイスによって装着者の本人性を確認する技術は確立されていません。これは、従来の指紋認証は指先の状態に左右されやすく、顔認証は小型化や省電力化、プライバシーの観点から課題があるためです。
本研究では、スマートリングに搭載可能な距離センサとIMUセンサを用いたハイブリッド認証システム「ScanRing」を提案します。ユーザが顔の前でリングを横方向に動かすことで、距離センサが顔の構造を捉え、IMUセンサがその動作特性を記録します。これらの情報を組み合わせることで、カメラに依存せず、プライバシーに配慮した小型・省電力な認証システムを実現しました。
30名を対象としたユーザスタディにより、ScanRingは安定した条件下において平均98.41%の認証精度を達成しました。
Publication
Kai Miyashita, Takashi Amesaka, Shogo Hanayama, Takumi Yamamoto, Yuta Sugiura. ScanRing: Hybrid Authentication System in a Ring Device Using a Distance Sensor and an IMU Sensor, Proceedings of the ACM on Human-Computer Interaction (PACMHCI), Vol.9., No. 5 (Sep. 2025), 23 pages, doi=10.1145/3743737.[ACM]